異世界転生~捨てられた令嬢が宰相様に溺愛される
ある朝、目覚めると、喬薇(きょう・び)は歴史に存在しない王朝にいた。天を仰ぎ、己の不運を嘆くしかない。まさか、ただ寝ていただけなのに、流行りの「タイムスリップ」の仲間入りをするなんて。しかも、人生のステップを一気に二段階も飛び越えて、可愛い双子の母親になっていたのだ。 お腹を空かせ、潤んだ瞳でこちらを見つめる幼い二人を前に、喬薇は「嫌だ」の一言も言えなかった。 「仕方ないわね…郷に入っては郷に従え、よ。母親になるってだけでしょ?私にできないはずがないじゃない」 こうして、喬薇の新たな人生が始まった。可愛いわが子を育て、商才を発揮して富を築き、穏やかな日々を目指す。 彼女の信条はこうだ。 ――自ら悪事は働かない。だが、聖人君子にもならない。 ――私を敬う者には、敬意を。だが、私を害する者には、どこまでも追い詰めて必ず報いを受けさせる。 医術の心得を胸に、侯爵家から見捨てられた令嬢が、逆境を乗り越え、輝かしい人生を切り開いていく。



















